旅の写文 地のテーマ 第3集
  風土・絶景・大地・地球など、地の写真にコトバを乗せて……
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                 ロシア語とペルシャ語が混在する国境の町。
                ここからはアルメニアとアゼルバイジャンに行けるのだ。
               世界地図が思い浮かんできた。うん。
                この国も、無事に旅することが出来ている。
アルメニア国境の町ジョルファ 【イラン】
 
ナンちょうだい。
  焼きあがりを待つ人々はお節介にも口々にナンじゃないという。
   ファルスィー、バルバレイ。テュルキシュ、パパン。
     そうか、トルコから伝わったパンかぁ…。
                    ナン文化圏もそろそろおしまいか。
トルコ国境の町マークーのパン屋さん 【イラン】
 
 
 
迫る崖は地により天に反り返る。
  地震が起きたらどうなんだろう…。
   起きたらこうなるだけだよ…。
マークーの裏山にそびえる崖下 【イラン】
 
 
遥かに丘陵地帯が続く厳しいところに、
異教徒の侵略を恐れ、その教会が建てられたのは二千年も前の話。
今となっては、住処を追われたクルドの人々が、
小さな集落を作ってひっそり暮らすだけ。
キリスト教会を見守る人々は敬虔なムスリム。
国境の町マークー郊外のタデウスアルメニア正教会 【イラン】
 
 周りには何もない。
風の音がする丘陵が続くだけ。
草はカーキ色、土は淡くて、空も水色。
雲は多くて湿っぽい。だから空気はいつでも灰色。
そんな所にあるからこの教会は、そんな表情を時折見せる。
 
 
 
 
マークー町郊外のタデウスアルメニア正教会 【イラン】
 

忘れていた。
蘇る遠い冬の記憶。
冬の訪れ、天道虫の冬眠。
岩の隙間、身を寄せ合う虫たち。
ここは寒いところ。
 
 
ネムルートダアゥ山頂 【クルディスタン】
 
 小さな町を見守る城の裏は、断崖絶壁。
この辺りの町には、かならずこうした城がある。
今もなお、町は城塞。
厳しい時代を、切り抜ける自然の城塞。
 
ディブリィ町の城塞 【クルディスタン】
 
水も、山も、木々もある。豊かに見える。いくつもの大陸の中心にある。
どうしてここに町がないのだろう。どうして人が住みつかないのだろう。
時代を見てきた月が、なぜか残酷で哀しく見えた。
 
トルコ国鉄の車窓にうつるアナトリアの大地 【クルディスタン】
 
 
 
 
 
戦乱に踊り、祖国を失い、歴史をさまよい続けて滅びた都。
   時は流れ、平和が世界を包み始めたけれど、
            時代を拒絶するかのような、八方を囲む断崖。
カルス町郊外のアルメニア王国首都遺跡アニ 【クルディスタン】
 
お前、ウズベキスタン人か?
違うよ、日本人だよ。お、良く来たな。日本人は良い人々だ。
おじさんはクルド人?クルド人は好きだよ。違う、わしはクルド人じゃないぞ。
じゃぁ、トルコ人?うぅん、そう、カフカストルキッシュだ。
アルメニア国境に近いカルス町のバスターミナル 【クルディスタン】
 
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