旅の写文 跡のテーマ 第3集
  遺跡・廃墟・歴史・残骸など、跡の写真にコトバを乗せて……
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死が不安で怖くてたまらない…。自分が凄かったことを精一杯に形に残したくて…。遺伝子が、そうさせるのか。
アケメネス朝ペルシャ帝都ペルセポリス郊外王墓 【イラン】
 
残骸となっても不朽の彫刻の美しさ。      
     最高技術を結集させたのだから、そうかもしれないけれど。
                      それでもセンス、凄くはないですか。  
アケメネス朝ペルシャ帝都ペルセポリス 【イラン】
 
イスラム建築のタイル装飾に目が慣れると、うっかり見過ごしがちだけれど、こいつぁちょっと凄いぜ。
 宗教施設じゃないからそりゃ自由に描けばいいけれどさ、ちょっと見てよ。
  王様が悪魔の角をつかんで飛びヒザ蹴りったぁキップがいいねぇ。
シラーズ市の王宮跡 【イラン】
 
モスクのようだけれどれっきとしたアルメニア正教会。
質素な外見とは文字通り裏腹に、内部の壁画に圧倒される。 
そこには血なまぐさい物語が克明に生々しく描かれ、空間を埋め尽くしているのだ。  
そこにただ立っているだけで、人の意識に世界がメリメリと入り込んで来る。          
エスファハン市アルメニア人居住区ヴァンク教会 【イラン】
 
 
     一度その巨大なモスクに足を踏み入れたら、 
           曲線アーチで作り上げられた空間世界と、
                 青と黄の規則正しい模様世界に、
               わたしの精神世界を支配され、    
             もう逃れることができない。   
エスファハン市イマーム師モスク 【イラン】
 
 
 
 
 
 
これが、世界一美しいとされるモスク…。
それはまさに究極だった。
わたしは誰もいないドームの床に寝ころんで、
たいそう長い間、天井を見つめた。
窓から射す光が、ドームの中に拡散し、
アーチ型と円形の空間、そして放射する模様と色を照らす。
想像を絶するイスラムの世界を体験した。
エスファハン市のマスジェデロトフォッラー 【イラン】
 
申し訳なるくらいの親切と同じだけ、嘲笑と罵声と侮蔑がある。
すれ違い去ってある程度離れた距離から。
追い抜かないように背後につきながら。
仲間とつるんでいるときだけ。
守ってくれる人がいるときだけ。
繁栄を極めた民族に流れる誇り高き清き血が、
いわれなき差別と民族浄化の思考を起こさせるのか。
タブリーズ市 【イラン】
 
               可愛らしい様式と、ゴツゴツしい城壁。
異教徒の侵略を恐れてのギャップは、2000年前の宗教争いの歴史を物語る。
               いまも変わらず歴史は繰り返すのだろうか。
 
ジョルファ国境郊外のステファノスアルメニア正教会 【イラン】
 
   2千年前のこの教会で、
  屋根に生えた雑草こそが、
 わたしの一番でした。
みなさんにとっての一番は、   
  何ですか?
   黒い壁、
    レンガのチェック模様、
     レリーフ、
       雲……
マークー国境郊外のタデウスアルメニア正教会 【イラン】
 
 最初は怖かった。踏み込んだら、同じ入口には戻れないだろうと思った。
事実、その通りだった。暗闇にどこからともなくこだまするのは、
子供たちの遊ぶ声、ご飯の呼びかけ。
シャンルウルファ町の旧市街 【中国】
 
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