2008年シルクロード 物価と旅費
 トルコリラ イランリアル トルクメニスタンマナト ウズベキスタンスム
 タジキスタンソモニ キルギスタンソム カザフスタンテンゲ 中国元
 
 トルコリラ

 
 トルコの全体的な物価は、東のアジア諸国よりも高く西の欧州諸国よりも安く、日本の物価の60〜70%程度と考えてよいと思います。支払った分のサービスは帰ってくる方だと思います。旅のスタイルや訪れる地域によりかなり生活費が異なります。管理人は東部アナトリア地方では野宿と生食材で過ごしていましたので一日当たりの生活費は約13ドルでした。西部の有名観光地周辺の平均生活費は約21ドルです。
 
 食事は可能な場合はほぼ自炊をしました。毎食をロカンタ(大衆食堂)の一品料理で済ませれば一日の食費は7〜8ドルになります。宿は最低ランクでも一泊10ドル程度です。トルコはダブルルームを一人で使う場合も一人分の料金しか請求されないことが多いのでひとり旅でも安宿探しは難しくありません。酒やたばこなどの嗜好品はとても高いので非喫煙者やお酒を飲まない人はかなりコストを抑えられます。その他はトイレ代とネット代です。トイレ代は30円から100円とバカにできないコストです。

 トルコはガソリンが1リットル200円もするので移動費は高めです。さらに広い国土を長距離移動することがあるので旅行者にとっては大変負担になります。しかし本数が少ないので使い勝手はよくありませんが、列車は快適でバス代の3〜5分の1程度のコストで、更に学割もききます。もし予定と合うならば積極的な列車利用をお勧めします。
 
 観光費は学割制度が廃止され、すべての見所のチケットを官公庁が管理しています。全国どこもランクに応じて200円〜1700円まで幅広く料金が設定されています。
管理人の支払いの目安
定食350円
安宿1000円
タバコ200円
ビール150円
ネット1時間100円
タクシー10分1000円
 
 イランリアル

 
 イランの物価の上昇はこの2、3年で120パーセントくらいと考えてよいと思います。イラン国内では通貨カウントにリアルは用いません。代わりに10リアルを示すトマン、10000リアルを示すホメイニを用います。商店の値段表示や口頭によるやり取りも原則的にトマンを用いますのでご注意ください。
 
 総じてイランは、中国同様物価がかなり安いと言えます。支払った以上に返ってくることも多いです。宿泊費は、充実している夜行交通をうまく利用すれば削減できます。またイランには旅人の面倒を見るよき習慣があり、管理人はこの19日間で4家族のお宅に招待され食事などをご馳走になりました。水道水は安全なので、飲料水は一度も購入していません。
 
 厳戒なイスラム国家であり、酒類は普通には手に入りません。タバコの本数が増えたことと、日本食で口を慰めたことにより若干嗜好品の比率が高くなりました。その他には通信料のほか、物価の高いトルコに入国する前の準備(靴の新調、防寒具、消耗品)費用が含まれます。
 
 イラン最大の特徴は破格の公共移動費です。長距離バスや鉄道はすべて国営で、どんなに豪華なデラックスバスでも1時間あたり1ドルを超えることはありません。タクシーはサヴァリと呼ばれる乗合いをうまく使えば経済的です。
管理人の支払いの目安
定食200円
安宿500円
タバコ100円
ビール - 円
ネット1時間80円
タクシー10分90円
 
 トルクメニスタンマナト

 
 激安と言われていたトルクメニスタンは今は昔の物語です。かつて公定レートの5倍もあった闇レートは2008年現在2.5倍までその差が縮まりました。とは言え中央アジアの中では依然として最も物価が安い国です。
 
 トルクメンを個人で旅する場合はビザの都合で5日しか滞在することができません。管理人はこの期間内にかなりの強硬スケジュールで移動を繰り返した結果、交通費がかなり高額になりました。原因としては人が集まる前に出発してもらうため不足人数分の料金を支払ったりしたためです。
 
 トルクメンへ入国するためには入国税12ドルがかかりますので、この出費は観光費に含めています。また検問を突破するために支出した賄賂10ドルはその他に含めています。
 
 旅というよりはトランジットの延長で周遊したに過ぎないためデータとしては有用性に乏しいかもしれませんが、同時期に旅をした青年は遠回りせずまっすぐ越境地点を目指しながら周遊して100ドル程度でした。
管理人の支払いの目安
定食130円
安宿700円
タバコ70円
ビール - 円
ネット1時間 - 円
タクシー10分80円
 
 ウズベキスタンスム

 
 ウズベクの最大の特徴は、人々に刷り込まれた外国人価格マインドです。一種のボリなのですが「何で外国人なのにお金を出さないの?」という言わば確信犯的な性質の悪さがあります。これに疲れる旅人たちは多いです。このマインドは地方都市に行けば行くほど根強いです。
 
 有名な観光地には朝食(時に夕食)付きの安宿が軒を連ねていますので、普通に観光地巡りをするのであればさしてコストはかかりません。ただし観光地ではない地方都市などを旅する場合にはひどい設備に外国人価格がしっかり適用されます。また外食は高くつくことが多いです。
 
 タシュケントはとても通信環境が良くホテルやデパートなど大型施設には無料WIFIが飛び交っていますが、観光地の多くは旧市街にあるためアクセスが良くない割に値段が高いというようなことがあります。ビールやタバコはコストパフォーマンスの良いものがそろっています。
 
 観光については観光慣れしているだけあり高くも安くもないほどほどの入場料が設定されています。ウズベクはバス、ミニバス、乗合タクシー、電車と移動手段が豊富でどれを使うかにより移動費は大きく変わりますが、距離や時間を考えると総合して安いといえます。
管理人の支払いの目安
定食170円
安宿600円
タバコ70円
ビール70円
ネット1時間80円
タクシー10分170円
 
 タジキスタンソモニ

 
 タジキスタンは西の都市部と東の山岳部とでは明らかかつ顕著な格差がみられます。都市部は安宿が少なくかつ外国人料金を設定しているところが多いため宿代がかさみます。安食堂は多く1食100円〜150円程度に抑えることができます。自炊はほとんどしていません。山岳部については旅行者向けの民泊が多いため、朝夕食事付きで15ドル以下に抑えられます。全体的な感想としては支出の見返りが最も低い国です。
 
 その他のほとんどはネット通信料です。通信に時間がかかるためネットカフェに3時間以上いることもありました。
 
 観光について、外国人登録(山岳部入域許可GBAO登録込)に30ドル程度を要します。山岳部の一部で環境税があるそうですが、要求されませんでした。首都の博物館は5ドル〜10ドル程度ですがそれ以外の入場料は5ドル以下です。
 
 国土の93%が山岳地帯で移動費は高くつきます。山岳部は公共の交通機関に乏しくジープをチャーターせざるを得ないことがあるので、周遊する場合は更に移動費がかさみます。
管理人の支払いの目安
定食150円
安宿1000円
タバコ120円
ビール150円
ネット1時間90円
タクシー10分150円
 
 キルギスソム

 
 物価はこの2、3年で1.5倍ほどになっているようでした。
 
 キルギスは都市地方問わず各所に観光向けの安宿があり宿泊には困りません。しかし満足できる安食堂が少なく自炊をした方が安くおいしくつくことがあります。ビシュケクではほぼ毎日自炊をしていました。野菜や果物はタダみたいな値段で手に入ります。それでも食費が宿代を上回っています。
 
 キルギスでは入場料を払うタイプの観光スポットは少なく、豊かな自然そのものが見どころです。移動費については山国なので道が悪く移動が小刻みになることなどから若干高くつきます。
 
 首都ビシュケクではスリや警官によるタカリが横行しているため注意が必要です。初日両替直後にスリに遭ってしまいました。その他にはスリ損失が含まれています。
管理人の支払いの目安
定食300円
安宿500円
タバコ100円
ビール100円
ネット1時間80円
タクシー10分120円
 
 カザフスタンテンゲ

 
 管理人が旅をした2008年のカザフスタンは好景気によるインフレのまっ最中でした。
 
 宿不足で安宿を探すのに苦労します。管理人は宿代を浮かすために夜行バスを多用したため、合計5泊のうち3泊が車中泊です。観光拠点となりうる町においては民泊でもしない限り中級ホテルに泊まらざるを得ません。1部屋を確保したいのであれば最低でも1日20ドルは考えた方がいいでしょう。
 
 食事は典型的なラグマン(トマトスープの麺)やポロフ(ピラフ)で済ませれば抑えることができますが、乾いた熱風吹きすさぶ夏に訪れるのであれば意外と水代が高くつくかもしれません。
 
 観光は公衆浴場や町の高台に上るケーブルカーがいずれも10ドル以上しました。世界遺産のヤサウィーモスクは無料です。また、音楽博物館で民俗音楽CD(20ドル)をつい買ってしまいました。
管理人の支払いの目安
定食500円
安宿2000円
タバコ150円
ビール150円
ネット1時間150円
タクシー10分300円
 
 中国元

 
 中国の特徴は食事や宿など生活費が安い一方で観光地の入場料がいやらしいほど高いことです。
 
 何もしない場合は毎日ビールを1本飲んでも1日11ドル前後で過ごせますが、たとえば敦煌の莫高窟の入場料はツアー会社を通さない実費相当額で180元(3,000円以上)もします。不思議なことに観光に来ている中国人たちもこうした入場料はちゃんと支払っています。
 
 なおその他がかなり掛かりましたがこれは偽100元札(約1700円)を一度つかまされたことと、お腹を壊して薬品を買ったことによります。
管理人の支払いの目安
定食100円
安宿450円
タバコ70円
ビール40円
ネット1時間50円
タクシー10分50円
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